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ジェイソン・シーセンさんインタビュー(1/2) [新着情報]

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マイリトルポニーの主任監督をシーズン1からシーズン5まで勤めたジェイソン・シーセンさん。
現在は2017年公開の「ザ・マイリトルポニー・ムービー」の監督として忙しい毎日です。
「エクエストリア・デイリー」に掲載されたロングインタビューから抜粋して翻訳をご覧ください。

Q:MLPファン層は本来の対象年齢のグループよりずっと批判的になりがちですね、分析動画のアップロードがポピュラーになってからはますますそういう傾向だと思いますが、私達ファンのこうした側面を見てあなたはめんどくさいなと思いますか?ファンの反応を元に計画変更することはありますか?それとも無視する?

A:批判を受けるのは僕の仕事の一部だから、面の皮を厚くしておかないとね。みんなを同時に満足させることは不可能なんだ。出来ることは自分が信じるストーリーを能力すべてを使って語るだけさ。淡々とね。
一部の批評動画には同意できるけど、同意できないのもあるね。あと、ただ再生回数を稼ぎたがってるだけの批評動画は見ればすぐわかる。ああいうのは最低さ、彼らはただ番組の人気に乗っかって儲けようとしてるだけだからね。



Q:もし番組を計画していた時にブロニー現象を予見できていたとしたら、番組スタッフはどこかを変えていたと思いますか?

A:もっとアニメーションエラーを少なくしようと努力していただろうね。番組を全部コマ送りで見てミスを探されるなんて予想してなかったから。一秒あたり24コマで見るように作ったんだし!
今昔のエピソードを見直すとエラーがいっぱいあってうわぁ…ってなっちゃうね。



Q:「フレンドシップ・イズ・マジック」のどの側面がこのような大きなファンの愛を引き起したと思いますか?それをこれからのシーズンでもぜひ続けていこうと思いますか?

A:僕はこう思いたいね、クラシカルなストーリー話法を使い、調和が取れてキャラ立ちした登場人物達が引っ張る、深い意味があって感動的、しかも笑いをもたらすストーリーは必ずヒットすると。
全力で笑わせようとしてできるだけギャグを入れて来る番組は多いけど、僕はそういう番組には共感できない。確かに面白いんだろうけど見続けるほど興味を持てないのさ。残念なことだよね。
でも僕は間違ってるかもしれない、そういう番組でもポピュラーなのはたくさんあるからね。



Q:あなたが主任監督をしていた期間に「フレンドシップ・イズ・マジック」の精神または内容にあなたが影響を与えたことの中でお気に入りを選ぶとしたら、どれですか?

A:何と言ってもアル・ヤンコビック(コメディアン/歌手、S4E12の「チーズ・サンドイッチ」声優)を番組に呼べたことが一番だね。フェルトを切り抜いたストップモーション・アニメーション(注:S2E18「Friend in Deed」のワンシーン)などを実験できたのも良かった。
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Q:あなたはドクター・フーヴスが最初にしゃべった時の声優で、バルク・バイセップスに名前が付くずっと前に彼の声も当てましたね。あなたが声を当てたキャラのうちでお気に入りは?また、その理由は?

A:バルク・バイセップスだね。マイクに向かって肺のてっぺんから叫んだだけだったし。健康法だよね。



Q:多くの人がS5E05「Tanks for the Memories」は制作スタッフが「死」を前面に出さずに死の概念に取り組む手段だったと感じていました。特にみんなで泣くシーンからそう感じたわけですが、それは最初からの意図だったのですか?

A:そうです。扱いづらいテーマなのでMLPのような番組には扱って欲しくないと思う人が多かったでしょう。でも正面から扱えないということが逆にいい結果になることもあるんだよ。そのままテーマを出せないからよく考えた上で隠喩と隠された意味とを使って語る事を強いられるからね。



Q:シーズン5では「キューティーマップ」でエクエストリアの各地を旅し、そのおかげでファンたちが楽しんで遊べる新たな世界を築いたわけですね。あそこに行ったら面白いのにとあなたが思ったけれど、本編からカットされてしまった場所はありますか?例えばホロー・シェイズやドラゴンエンパイアはどうですか?

A:ぼくらが今回見せる事が出来なかった場所はつまり、将来のシーズンとエピソードで使うことが出来る場所だということさ。



Q:ここのところのシーズンでは、大スペクタクルなエピソードの割合が増えてきていますね。MLPの製作予算が以前と比べて増えているのですか?あるいはスタッフがアニメーション作業に慣れてきたせいで特別ゲストやミュージカルエピソードなどができる余裕が出て来たからでしょうか。

A:僕の知る限り予算が大幅に増えたという事はないね。やってるうちに作業の効率が上がって来たし、番組が円熟して成長するにつれて見せなければいけないものも大きくなる。制作チームはとても努力して持てる全てを番組のクオリティを上げるために使っているよ。彼らの献身と番組を愛する気持ちがなかったら、今みたいに成功していなかったろう。


Q:シーズン5のフィナーレは第2次世界大戦スタイルのエクエストリアが舞台の中心になるなど、おそらく今まで見た中で一番ダークなものだと思いますがこれは最近になって初めて語ることが可能になったテーマですか?それとも以前から可能だった分野でしょうか。

A:これも番組が成長してきたおかげだろうね。シーズン1だったらとてもこんなダークな描写はできなかっただろう。でも僕たちは視聴者がそれを受け入れることが出来ると今まで少しづつ証明してきたんだ。こうなった事を嬉しく思うよ。ぼくらもそれによって成長できるし、ただの派手な表現ではなく、それを違和感なく表現できるニュアンスを学んだというわけだし。



Q:100話記念回(S5E09)はすばらしかったという意見に同意しない人は少数でしょう。あなたが話中にどんなブロニー向けのサービス表現を入れるか選ぶ時に、何を参考にしましたか?あなたはブロニー向けエピソードを作るという事に関して肯定的、それとも否定的でしたか?それともあなたにとってこれは単なる「たくさんある内の一つのエピソード」にすぎなかった?

A:正直言って、ファンサービスをあんなに入れることについては不安があったよ。一つ間違えればたくさんの視聴者を疎外してしまうからね。でも僕は同時に、番組をこんなに愛してポピュラーにしてくれた人々を讃えるのは正しいことだとも思っていた。結果としてはすべてが上手く行ったと思っているよ。あんなふうに成功したのが嬉しいんだ。
100本のエピソードを達成できるのは本当にすばらしい気分さ。将来また出来るかどうかわからないからとても価値があって誇らしいね。
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同エピソードの中で、ユニコーンのゴムマスクを被って1コマだけ特別出演するシーセンさん。そう、MLP番組スタッフもまた「ブロニー」なのでした。

(後半に続く)
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