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新ジェネレーションのMLPはどのぐらいG4とつながっているのか? [考察]

皆様お元気でしょうか。G4(フレンドシップ・イズ・マジック)展開終了後、更新も少なくなりましたが2021年9月に配信されたムービー「マイリトルポニー:新しい世界(原題『My Little Pony: A New Generation』」(以下、『MLP:ANG』)の話題です。
このブログはG4マイリトルポニーがテーマですのでフランチャイズのリブートのMLP:ANGについては詳しく取り上げた事はなかったのですが、フル3DCGで見た目が一新しても「G4の未来が舞台になっている」と言われていました。果たしてその繋がりはどのぐらい「深い」のでしょうか?
冒頭部分のMane6の伝説のシーンをはじめG4へのオマージュや言及は確かに盛り沢山ですが、具体的にG4世界がどのように滅んで友情が消え去ったのか、MLP:ANGに出て来るロケーションはG4のどの場所に当たるのか…と、G4ファンが大いに気になる要素の説明はほぼ皆無だったので、「多いに楽しんだけどなんとなくモヤモヤしている」方も居たかと思います。
最近スペインのファンサイト「Ponylatino」がMLP:ANGの共同監督、ホセ・ルイス・ウチャさんにしたインタビューでそのあたりの情報が出てきました。



スペイン語によるインタビューですが、有志によって要旨が英語でまとめられ、4chanの/mlp/掲示板に投稿されていました。以下はその翻訳になります。翻訳の翻訳になりますが大きなブレはないと思います。

()内は私の補足。
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●ボールダースタジオはヨーロッパ各国の首都を回って参加アーチストを募集した。
●(ボールダーはG4MLPプロデューサーの)ステファン・デービスとメーガン・マッカーシーの密接な協力を得た。メーガンはまるで 「ポニーの生き字引」だ。
●ストーリー構築は2年の間続いた。
●ハズブロ側からスタジオに「こういうキャラを作って欲しい」と注文があった。
●(初期デザインにあったペガサスの)足先の羽根は他のオブジェクトと衝突してばかりだったのでオミットした。
●左右両側にキューティーマークをつけると3Dでは変になってしまいまずかったので片側だけにした。ハズブロではなくスタジオ側の判断。
●G4への言及はMLPの歴史に敬意を示したもの。
●G4に出た都市の名前を使わなかったのはG4を遠い過去のものとして新たな出発にしたかったから。
●スプラウトのシーン(具体的にどのシーンなのか不明)は製作期間を通して変更がなかった唯一のシーンだ。
●制作のある時点ではスプラウトの歌(「Danger,Danger」)はもっと長かったけど、ペース配分を見て短くなった。
●カットされたシーンの例:
○ポニーたちがケンカをする、もっと長いシーン
○ブライドルウッドのバーでアルファビットルがMane5一頭づつと勝負をするシーン。各キャラを掘り下げるいい機会だったが長くなりすぎるためカット。
●3種族が仲違いした理由は不明。
●私は(今後配信される)TVシリーズには関わっていない。
●我々はMLPを政治的メッセージの道具そのものとは思っていないが、「フェイクニュース」などの時事ネタを含ませるのは控えた。
●サニーの父(アーガイル)は確かに死亡している。そのヒントはいくつかのシーンに描かれている。私は完成版を見ていないから正確には言えないけれど。
●サニーのアリコーンへの変身はトワイライトの時の物理的な変身と比べてより精神的なものにした。
●私はファンの反応を知るために(MLPファンサイトの)Ponylatinoとエクエストリア・デイリーを閲覧した。
●冒頭シーンが2Dなのはそのほうがオーガニックに感じるから。
●G4の神話的クリーチャーの代わりに普通の動物を出したのは「魔法がなくなった」という事実をより明らかに伝えるため。
●ムービーの上映時間の制約でメインキャラクターは5体しか作られなかった。
●スプラウトへの罰はあれで十分だと思う。牢屋に入れたり「月送り」にしたらやりすぎだろう。
●観客に親近感を持ってもらうために科学技術(スマホとか)を導入した。
●口を使って物を持ったり拾ったりするのは何か不快な感じだったので前足(の謎の吸着力)を使うことにした。
●G4キャラクターのその後や、G5TVシリーズに出るかどうかについてはまだわからない。

(以下は別バージョンの要約の翻訳)
●ストーリー構成段階で大量の変更があった。その一端は(すでに公表された)「アースポニー・トワイライトのキャラを使って、い かにして2Dを3Dに変換するか」という試行で見ることができる。
●うまく行く所、行かない所を見るためにストーリーに2年間取り組んだ。一貫して変わらなかった要素は「魔法のない世界」「3種族が別離している」という点のようだ。
●我々はアイデアを得るために旧ジェネレーションのMLPを見た結果「MLPは単なる女児向けトイブランドではない」と気づいた。MLPファンの創作したコンテンツを調べて、(ファンアーチストの)Imalouにコンタクトを取ることに繋がった。
●こういう性格のキャラクターが欲しい、このキャラは信念を持っていてこのキャラは反抗的、というような設定はハズブロ側が出した要求。彼らはオスのキャラが欲しいと明確にしていた。
●どのキャラにも制作に携わったみんなの性格の一部が宿っている。
●サニーについては少し複雑だ。主人公なので誰より完璧で中立的、いわば退屈とも言える特質を持っているのでキャラ構築はデリケートだった。
●我々はポニーがまるで手触りを感じられるかのようなソフトでリアルに見えるレンダリングに全力を尽くした。短い毛足、長い毛足がテストされた。イジーのたてがみは担当者達にとって悪夢のように困難だった。
●(ペガサスの初期デザインにあった)足先の羽根は、見た目は素晴らしいがキャラクターが前足で物を持つのでアニメーションを複雑にしてしまった。
●時間内に足先の羽根をうまく処理する方法が見つからなかったので、オミットする事になった。
●新規の視聴者を混乱させないよう、G4関連の物は前面に出さなかった。(草原にあるピンクの)木はImalou(スタッフ)が言ったとおり「ツリー・オブ・ハーモニー」だ。
●私の理解が正しければ(ツリーの枝から下がっている)クリスタルはオミットされた。ストーリー中でポニー達が探しているクリスタルと混乱させないためだ。
●制作の最初からG4に出た都市や場所の地名は使わないと決まっていた。私はG4から正確に何年経っているのかは提示しなかった。それがただ遠い未来とわかればいいと思ったからだ。
●劇中歌「I’m Looking Out For You」のシーンの最後でサニーとイジーが一緒に歌って2つの山を眺める。我々はそのうちの1つをキャンタロット山にしたかったが時間経過の示唆を限定してしまうのでやめにした。TVシリーズがそこに触れるかもしれないので視聴者の解釈に任せることにした。
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上記インタビューのうち、G4との連続性と今後の展開で明かされる可能性に触れた部分を見てみましょう。

>「(ボールダースタジオはG4MLPプロデューサーの)ステファン・デービスとメーガン・マッカーシーの密接な協力を得た。メーガンはまるで 「ポニーの生き字引」だ。」

メーガン・マッカーシーさんはG4MLPに立ち上げから関わったスタッフですので順当な評価ですね。ステファン・デービスさんは直接現場にはタッチしないハズブロ側の重役です。
ただし、メーガンさんは「マイリトルポニー・ザ・ムービー(2017年)」の共同監督を務めた後2018年初頭から制作現場からは退き、2019年3月にはハズブロ関連スタジオからも退職しているので時期的にG4MLPのシーズン8以降については把握出来ていなかったはず。
Meghancarrier.png
つまりシーズン8・9での展開である「異種族が集まる友情の学校」「シーズン9フィナーレの『最後の戦い』や年老いたMane5」などについてはMLP:ANGの制作時に参考にされていなかった可能性があります。

>「G4の神話的クリーチャーの代わりに普通の動物を出したのは「魔法がなくなった」という事をより明らかに伝えるため。」

この発言ですが、シーズン8~9であれほど異種族との交流を印象づけたのにMLP:ANGではポニー3種族だけになってしまって「あれ?」と思った違和感も「そもそも制作側がシーズン8~9を考慮に入れていなかった」と解釈すれば説明がつきます。

>「G4に出た都市の名前を使わなかったのはG4を遠い過去のものとして新たな出発にしたかったから。」
>「制作の最初からG4に出た都市や場所の地名は使わないと決まっていた。私はG4から正確に何年経っているのかは提示しなかった。それがただ遠い未来とわかればいいと思ったからだ。」
>「劇中歌「I’m Looking Out For You」のシーンの最後でサニーとイジーが一緒に歌って2つの山を眺める。我々はそのうちの1つをキャンタロット山にしたかったが時間経過の示唆を限定してしまうのでやめにした。TVシリーズがそこに触れるかもしれないので視聴者の解釈に任せることにした。」

地名や位置関係についてはわざわざ繋がりを無くしているという事ですので、G4のエクエストリアの地図とG5の地図を必死に照らし合わせて場所を特定しようとするような行動は「やるだけ無駄」という事になってしまいますね。

>「3種族が仲違いした理由は不明。」
>「G4キャラクターのその後や、G5TVシリーズに出るかどうかについてはまだわからない。」

製作時には考えていなかったけど、もしTVシリーズでやるならご自由に…ぐらいの温度ですね。

>「私は(今後配信される)TVシリーズには関わっていない。」

2022年秋の配信に向けて現在制作中と思われるTVシリーズはスタッフも制作スタジオ(アトミック)も違いますので今後のストーリーの流れなどについて「申し送り」のような物は無いでしょう。
手法としては中心に居る「すべてを知っているクリエイター」がコントロールして創る物語ではなく、プロジェクト毎に別の造り手が担当するいわば「リレー小説」のような感じですね。
今後G4世界がどのように終焉したのか、G5とどのような整合性で繋がっているのかが「正史」として語られるのを待つのは徒労になりそうです。

>「新規の視聴者を混乱させないよう、G4関連の物は前面に出さなかった。(草原にあるピンクの)木はImalou(スタッフ)が言ったとおり「ツリー・オブ・ハーモニー」だ。
>「私の理解が正しければ(ツリーの枝から下がっている)クリスタルはオミットされた。ストーリー中でポニー達が探しているクリスタルと混乱させないためだ。」

G4シーズン9でツリー・オブ・ハーモニーは復活したソンブラに破壊されたあと「ツリーハウス・オブ・ハーモニー」に変身して再び姿を表しますが、前述の通りG4シーズン8以降の流れはこのムービーの骨子に反映されていないとしたら、MLP:ANGの世界は「2017ムービー」と「シーズン7終了時」あたりから枝分かれした、シーズン8~9がなかった場合の未来…というのが近いかもしれません。

そのImalouさんの発言はこちら。

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